何であの2人を気にしてしまうのか、アンタは分かってないじゃない














が帰ってきた。

それはもう、あっけないくらい簡単に。





があの獣人に捕まったかもしれない」



シモンがラガンから降りてくるなり言い出すものだからアタシ達は馬鹿みたいに取り乱していたというのに!


いつも以上にヘラヘラした笑顔で「ただいま帰りました」なんて頭を下げるから皆なにも言えなくて・・・

仕方が無いからアタシがかるーく活を入れてあげた。
もちろん自慢のライフルで。
三個くらい大穴が掘れたところでロンが宥めてくるもんだからしぶしぶ撃ち止めにしてあげる優しいアタシ。


上がった土煙が落ち着いてソラの姿がゴーグル無しでもはっきりと目視出来るようになると
彼は大袈裟なくらい体を折り畳んで



「心配掛けてごめんなさい!!」



今度のは健気なくらい一生懸命に見えたからアタシは先陣を切ってに飛びついていた。
そしたら後から後からみんなが囲んでくるから中心のアタシ達は見事に押し潰されてしまって。

ちょっとばかりアタマにキたので



「ライフルぶっぱなされたくなかったら離れなさーい!!」



叫んでみたら意外と簡単に圧迫感から解放された。
腕の中にいたソラがいつの間にか居なくなってたのには驚いたけど。















取り合えずケガもなく無事戻ったとグレンラガンの初勝利を祝っていつものドンチャン騒ぎが始まった。

ここ最近夜更かしばっかりでお肌が荒れて困っちゃうわ!なんてロンと話しながらこっそり彼らを覗き見る。


珍しく静かなカミナと珍しく落ち着きのない

それほど彼らを知っているわけじゃないけど、今の彼らはあまり良い雰囲気じゃないってことは分かる。
なんとかしてあげたいんだけど、アタシにはその方法がみつけられない。
ただソワソワと彼らの様子を伺うしかなくてなんとも歯がゆい。



「他所様の事情にあまり頭を突っ込むものじゃないわよ」



ロンにはやっぱりバレバレだったみたい。
ぴしゃりと窘められてアタシは肩を竦める。



「分かってはいるんだけどね」



子供じみた物言いでごちるとロンは呆れたように盛大な溜息を漏らす。



「いいえ。アンタは何にも分かっちゃいないわ」



何故だかそこからロンのお説教が始まって、アタシは呑まなきゃやってられない状況になってしまった。







だからあの兄弟の仲が元通りになっていたと知ったのは
太陽が真上を照らす頃、ようやく起き出したアタシが彼らの寝床で異様なほど密着した2人を目撃した時。





少しだけ胸が痛かったように思えたんだけど

多分それは気の所為よ。











少女以上女性未満












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