隣に立つという目標と



※連載とは多少別物です











風が吹けばそのまま飛び立っていってしまいそうなカミナの翼は暮れる夕日のように真っ赤だった。





その翼はいつだって大きく広げられていて仲間全部をしっかりと包む。

喜びと笑顔を膨らませて、哀しみと不安を吹き飛ばして

どんな時にだって笑ってみせては高々と天を指す。





もっと、もっとと止め処なく上を目指して進む姿は如何にもな馬鹿者だ。

みんなそれが分かっているのに

みんなそれが分かっているから



負けないくらいにバカみたいな笑顔をもってオマエの背中を追っていくんだ。



だけど俺は意地っ張りでドウシヨウモナイ大馬鹿だったから
オマエの後ろをついていくだなんて嫌で嫌で仕方なかった。

我武者羅にガンメンを薙ぎ倒してすこしでもすこしでもと・・・


そんな俺をらしくないとシモンは言い、我関せずと無視したオマエ。





―――俺は何に絶望した?














目の前のラガンから颯爽と歩き出しこちらに向かってくるシモン。
濃紺の外套を悠然とたなびかせて男は言う。


「待たせたな、みんな」


思い知る。
己の愚かしさに


次々と呼ばれていく仲間の名。

その一番最後に


「・・・


「おう!7年も前から待ってたよ」


笑って言ったら殴られた。
それもなんでかみんなにだ。

あんまり痛かったもんだから俺は少しだけ泣いた。











おかえりなさい

 













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